2026/07/17 19:24

Carharttのデトロイトジャケット。当店で扱ってきた中でも高値の一着です。胸には革(ビニール)のCパッチ。こうした一着も、袋詰めのロットから出てきて、検品と採寸を経て店頭に並びます。
当店ib2の買付は二本立てです。パキスタンからは20フィートコンテナで数千点単位、タイからは市場で手選りした小ロット。この記事では、届いた荷が一点ずつ商品になるまでを、事実だけで記録します。
■ 先に、流れだけ
①コンテナが港に着く → ②通関を経て倉庫へ → ③開封して一点ずつ広げる → ④検品・採寸・撮影・説明文 → ⑤出品。
買い付けてから店頭に並ぶまでには、相応の時間差があります。速さを売りにする商売ではありません。
コンテナで届く
2026年7月にも、20フィートコンテナが横浜港に着きました。中身は大きな袋(ベール)に詰められた古着で、数千点単位です。一点ずつ箱に入って届くわけではありません。
船便のスケジュールに合わせて動くので、買い付けてから荷が着くまでに数週間から一カ月以上かかることがあります。港に着いたら通関の手続きがあり、それが済んでから倉庫に運ばれます。ここまでの段階では、まだ一点も商品になっていません。
コンテナや倉庫、開封の様子の写真は、この記事にはまだありません。次の入荷のときに撮影して追加します。
開けるまで、中身はわからない
ロット買いなので、袋を開けるまで内訳は正確にはわかりません。どの型が何点入っているかは、開封して数えて初めて確定します。事前に選べるものではなく、これは仕入れの前提です。
だから開封は、作業であると同時に、この仕事でいちばんわかりやすい楽しみでもあります。想定していなかった一着が出てくることもあれば、手がかりが足りず年代を決められない一着も出てきます。

非対称に付くポケット、ボタンフライ、金属ボタンなど古い特徴を持ちますが、タグが無く年代を確定できなかった一本。こういう個体は「不明」と書いたまま出します。
一点ずつ、商品になる
開封した服は、この順で商品になります。検品 → 採寸 → 撮影 → 説明文 → 出品。数千点を一度に処理する魔法はなく、一点ずつ手を動かすしかありません。
・検品: 一点ずつ広げて、汚れ・破れ・補修の跡を確認します。ダメージは隠さず書きます。
・採寸: 着丈・身幅・肩幅・袖丈などをcmで測ります。表記サイズは年代と国でばらつくので、判断材料は実寸です。
・撮影: 全体と、タグ・金具・生地・傷を接写します。
・説明文: 読み取れたタグの記載を書き写し、読めない部分は「不明」と書きます。
いちばん時間がかかるのはタグを読む工程です。タグの接写と全体写真を対にして残しておくと、あとから根拠をたどれます。

黒地に黄の「Lee ®M.R./SANFORIZED/PATD-153438/UNION MADE IN U.S.A.」。組合(ユニオン)製造の米国製タグ。

同じ一着の胸ポケットのボタン。「Lee RIDERS」の刻印が読めます。タグと金具の両方を撮って記録します。

青いスクリプトの「Champion」+赤い「REVERSE WEAVE」の2色刷りタグ。「MADE IN U.S.A. RN 26094」まで読み取れました。

そのタグが付いていたオリーブのスウェットパンツ。腰に小さなスクリプトの刺繍が入ります。タグと個体を対で残せば、後から根拠を確認できます。
読めないタグもあります。その場合は、読めなかったと書きます。

退色が激しく、仕様番号・契約番号が判読できない内タグ。品名の行がかすかに追える程度です。こういう時は、番号を推測で埋めません。
タイの手選り — コンテナと対になる仕入れ
もう一本の経路が、タイでの手選りです。現地の市場や卸から小ロットで、実際に手に取りながら一点ずつ選びます。コンテナのように量は入りませんが、状態と作りをその場で見て選べます。
コンテナが「量を引き受けてから選ぶ」やり方だとすれば、こちらは「選んでから持ち帰る」やり方です。順番が逆なので、二つを並行させると品揃えの穴が埋まります。

色落ちと、当て布・繕い(ダーニング)の跡が景色になっているインディゴのワークパンツ。この手の一点は、良し悪しが写真だけでは決まりません。現物を見て決める必要があります。
記録として、残しておく
買付は特別な冒険ではありません。荷が着いて、開けて、一点ずつ確認して、測って、撮って、書いて、出す。その繰り返しです。この記事も、その延長線上にある記録の一つです。
今後もコンテナの開封や現地での買付の様子は、写真が撮れ次第、事実に基づいた記録として残していきます。誇張して書くことも、撮れていないものを別の写真で埋めることもしません。
■ 販売中の関連商品・関連記事
なぜこの二つの経路で買い付けるのか、という話はこちらの記事に書いています:
写真はすべて当店で撮影した当店の在庫です。個体の写真は在庫の実例であり、その一点がどの経路で入ってきたかを示すものではありません。
コンテナ・倉庫・開封の現場写真は、次の入荷時に撮影して追加します。
本記事は2026年7月に全面更新しました。以前の記載に含まれていた国内での買付は、現在の買付体制と異なるため削除しました。当店の買付先はパキスタンとタイの二カ国です。
日々の考えはnoteにも書いています: https://note.com/ib2
