2026/07/17 19:24

M-65フィールドジャケットは、アメリカ陸軍が1965年に制式採用したフィールドコートです。襟に収納できるフード、面ファスナー付きの袖口、大きめの4つのポケットなど、それまでのM-51から改良された作りが特徴で、以降の民間市場でも定番のミリタリーアイテムとして流通してきました。長期間にわたり複数のメーカーが契約生産を行ったため、同じ「M-65」でも仕様には年代による違いがあります。ここでは当店が出品時に確認できる範囲の手がかりを、事実ベースで紹介します。

襟裏の契約ラベル

襟の裏側には契約先メーカー名や契約番号を記載したラベルが付きます。契約番号は「DSA100-70-C-0644」のような形式で、1960年代後半から1970年代後半ごろまでは頭文字が「DSA」、それ以降は「DLA」の表記に変わっていく傾向が確認できます。番号中の2桁の数字は契約が発注された年度を示すとされ、実際の縫製・出荷年そのものと必ずしも一致しない点には注意が必要です。ラベルは判読できないほど摩耗している個体や、後年に取り替えられている個体もあります。

ラベル上部の品名表記

同じ契約ラベルの上部には品名(タイトル)が記載されており、1960年代後半は「COAT, MAN'S, FIELD, WITH HOOD」、1970年代以降は「COAT, COLD WEATHER, MAN'S」という表記に変わっていく傾向が確認できます。契約番号が判読できない場合でも、この品名表記が年代の目安になることがあります。

ジッパーの素材とメーカー刻印

前立てのジッパーは、1960年代後半はアルミ(クロームメッキ)、1970年代から80年代半ばにかけては真鍮、それ以降はナイロン(樹脂)へと主流が変わっていったことが複数の資料で確認できます。引き手部分にはScovillやGeneralといったメーカー名の刻印が見られる個体もあり、素材と刻印を合わせて見ることで大まかな年代の幅を推測する手がかりになります。ただし修理・交換でジッパーそのものが後年のものに替わっている個体もあるため、これ単体で断定はできません。

生地の変遷

初期のM-65はコットンサテン地(OG-107)でしたが、1966年ごろから綿とナイロンを混紡したNYCO生地への切り替えが進んだことが確認できます。NYCO生地は撥水加工との相性がよく、以降の生産でも長く使われました。生地の風合いや厚みの違いは、タグが失われた個体でおおまかな時期を推測する材料の一つになります。

肩章・袖口など細部の仕様

収集家の間では、肩章の有無や袖口のガセット(まち)の有無といった細部の変化をもとに、1st・2nd・3rdパターンのように呼び分ける整理のしかたも見られます。ただしこれは軍の公式な世代呼称ではなく、収集家コミュニティで使われている通称です。契約は複数メーカーが並行して行っていたため、境界の年は幅を持って捉える必要があります。

現行品として作られているレプリカ(復刻)モデルの中には、当時の生地やジッパーの仕様を再現しているものもあります。ただし、それをもって実物と復刻品を一目で確実に見分けられるとは限りません。当店では、素材やタグの状態から実物と判断した根拠を可能な範囲で商品説明に記載するにとどめ、断定できない場合はその旨を明記します。

当店では、これらの手がかりを組み合わせても年代を1年単位で特定することは難しいと考えています。そのため年代表記は「60s」「70s」のように10年単位の目安とし、根拠にした部位(契約ラベル・ジッパー・生地など)を商品説明に記します。手がかりが乏しく判断できない個体については、「年代不明」「参照可能な範囲を記載」と正直に書きます。

米軍規格のサイズ表記は日本のS/M/Lとは基準が異なり、年代によっても採寸基準に幅があります。気になる一着があれば、年代の目安とあわせて、着丈・身幅・肩幅・袖丈などの実寸を商品ページでご確認ください。

Militaryの出品一覧: https://ib2.base.shop/categories/7439000

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