2026/07/17 19:24
「古着」と「ヴィンテージ」はよく並べて語られますが、実はこの二つの言葉を明確に区別する公式な定義は存在しません。業界団体や辞書によって説明のニュアンスが異なり、店ごとに使い分けの基準が違うのが実情です。この記事では、世間でよく使われている目安を紹介したうえで、当店がどのように言葉を使い分けているかをお伝えします。
年数基準
最もよく見かける目安は「経過年数」です。「ヴィンテージは製造から30年前後経過したもの」とされることが多く、これはアメリカの通商関税法(1934年)で「製造から100年以上経過した工芸品・美術品」を関税免除の対象とした規定が「アンティーク=100年」という基準として広まり、そこから逆算する形で「ヴィンテージ=30〜99年」という慣例が定着したという説明がよく見られます。一方で、日本の古着店では20年前後を目安にヴィンテージと呼ぶ例も多く、25年前後を境目とする説明も見かけます。つまり年数だけを見ても、20年・25年・30年のいずれの説も業界の慣例であって、法律や公的機関が定めた統一基準ではありません。
来歴性
年数に加えてよく挙げられるのが「来歴性」、つまりそのアイテムがどんな時代背景・生産背景で作られ、どのように使われてきたかという情報です。同じ年代のものでも、当時のタグの仕様変遷や生産国表示、資料などから来歴をたどれるものと、そうでないものとでは、語れる情報の量が変わります。年数だけでなく、この来歴の有無や厚みも「ヴィンテージらしさ」を語るときの目安の一つとされています。
アンティーク・レトロとの違い
アンティークは前述のとおり「製造から100年以上」という基準がよく使われ、ヴィンテージよりもさらに古い年代を指す言葉として使われる傾向があります。一方「レトロ」は経過年数を問わず、古びた雰囲気やデザインそのものを指す言葉として使われることが多く、当時のデザインを再現した現代の復刻品に対しても使われます。三つの言葉は重なる部分もありますが、指している軸(年数・来歴・雰囲気)がそれぞれ異なるといえそうです。
当店の使い分け
諸説あるなかで、当店では「年代20年を超えていること」に加えて「来歴性が確認できること」の両方を満たすものを「ヴィンテージ」、それ以外を「古着」と表記しています。これは公式な定義というより、商品説明の一貫性を保つために当店が採用している社内基準です。来歴が確認できない個体については、年代や背景を無理に断定せず「不明」「実寸参照」と記載するようにしています。
どちらを選ぶかは好みと実寸で
古着とヴィンテージ、どちらが良い・悪いという話ではありません。年代の物語や来歴に惹かれる方もいれば、状態の良さや価格、単純にデザインの好みで選ぶ方もいます。呼び方の違いにかかわらず、実際に着るときに大事なのはサイズが合うかどうかです。当店では出品する一点ごとに着丈・身幅・肩幅・ウエストなどの実寸を掲載していますので、呼び方よりも実寸を基準に選んでいただければと思います。
古着とヴィンテージという言葉の境界は、店によっても、時代によっても揺れ動くものです。当店の基準もその一つの立場に過ぎません。気になるアイテムがあれば、まずは商品ページの実寸と説明文をご確認ください。
商品一覧: https://ib2.base.shop/
