2026/10/28 23:59
軍パンのサイズ表記は、国ごとに決まりが別です。米軍の「SMALL-REGULAR」、フランス軍の「33」や「92 XC」、スウェーデン軍の「C48」は、同じ物差しでは比べられません。当店の在庫のタグの実物で、読み方と選び方を書きます。
文と写真 ib2(青森の古着店) / 2026年10月28日の在庫をもとに作成

M51 フィールドパンツ REGULAR SMALLの全体。平置きのウエスト36cm・股下72cm。
まず結論 — 表記は国ごとに別の決まり、最後は平置きの実寸で選ぶ
① 米軍・フランス軍・英軍・スウェーデン軍で、サイズの書き方の決まりが違います。数字の大きさを国をまたいで比べることはできません。
② 米軍の「SMALL-REGULAR」は前の語が胴回り、後ろの語が股下の区分です。スウェーデン軍の「C48」は、C が標準の丈、D が短い丈を指す可能性が高く、数字はウエストのcmではありません。
③ どの表記も着る人の体の幅を示すもので、手元の1本の寸法ではありません。選ぶときは平置きの実寸で比べてください。
国ごとの細かい話は別の記事にまとめています。フランス軍の2桁の数字はフランス軍M47の記事、英軍とオランダ軍のタグはヨーロッパ各国軍の記事で、1本ずつ写真で読んでいます。ここではそれを横に並べ、米軍の2語の表記とスウェーデン軍の表記を足します。
先に、当店の数を書いておきます。2026年10月28日時点で、商品名に「軍」「ARMY」「Military」が入った販売中の品は234点です。商品名で数えると、フランス軍が84点、アメリカ軍が50点、スウェーデン軍が29点、オランダ軍が22点、イギリス軍が12点、ドイツ軍が9点でした。タグのサイズ表記も、この数だけ種類があります。
① 米軍の「SMALL-REGULAR」 — 前の語が胴回り、後ろの語が股下

M-65 フィールドパンツ M-Rのラベル。「MEDIUM-REGULAR / WAIST: 34 TO 37 IN / INSEAM: 31.1 IN / STOCK NO: 8415-01-099-7853 / NATO SIZE: 7583/7989」。

当店で扱った M65 フィールドパンツ(売り切れ)のラベル。「SMALL REGULAR / Inseam: 29-1/2 to 32-1/2 in. / Waist: FROM 27 to 31 in. / NATO size: 7583/6979」。
米軍のパンツのタグには、「SMALL」「MEDIUM」のような語と「REGULAR」のような語が2つ組で刷られています。この組の意味は、米軍の規格書に書いてあります。1991年の迷彩パンツ(BDU)の規格は、サイズのラベルに刷る文字を1サイズずつ決めています。前の語が胴回りの区分で、後ろの語が股下の区分です。
X-SMALL … 胴回り 27インチまで
SMALL … 胴回り 27〜31インチ
MEDIUM … 胴回り 31〜35インチ
LARGE … 胴回り 35〜39インチ
X-LARGE … 胴回り 39インチより上
SHORT … 股下 26-1/2インチから
REGULAR … 股下 29-1/2〜32-1/2インチ
LONG … 股下 32-1/2インチから
その外側に X-SHORT と X-LONG があります。
上の2枚目の「SMALL REGULAR」は、この規格の SMALL-REGULAR とまったく同じ幅(胴回り27〜31・股下29-1/2〜32-1/2)でした。ところが1枚目の M-65 の「MEDIUM-REGULAR」は、胴回りが34〜37インチで、規格の MEDIUM(31〜35インチ)とずれています。語の役割は同じでも、インチの幅はパンツの種類や時期で違うということです。だから「MEDIUM なら何インチ」と覚えるより、語の下に刷られた数字をそのつど読んでください。
胴回りが「27 to 31」のように幅で書かれているのも大事なところです。1本の服のウエストは1つなので、この幅は手元の1本を測った寸法ではなく、着る人の幅です。実際、MEDIUM-REGULAR の1本は、平置きのウエストが45cmでした。日本の S・M・L とも別の決まりで、同じ「SMALL」でも日本のSと同じ大きさとは限りません。

M51 フィールドパンツ REGULAR SMALLのウエストの裏。読めるのは「…LAR SMALL」「…ROM 27 TO」「29 1/2 T…」まで。
古い個体では、タグが布に直接押したスタンプのこともあります。上のM51はかすれていて、全部は読めません。読めるところでは「REGULAR SMALL」の順で、M-65 の2枚とは2つの語の順番が逆です。それでも「27 TO」「29 1/2」の数字が見えるので、胴回りと股下の幅が刷ってあるのは同じです。
商品名では、この2語を「S/R」「M-R」のように縮めて書くことがあります。S/R なら SMALL-REGULAR、L/R なら LARGE-REGULAR を縮めたものと読めます。当店も商品名で、MEDIUM-REGULAR の1本を「M-R」と書いています。縮めた表記を見かけたら、商品ページのタグの写真で、その下のインチの数字まで確かめてください。
米軍のタグの読み方のうち、年代に関わる契約番号や在庫番号の話はOG-107 ベイカーパンツの記事とM-65/M-51の記事に書きました。サイズの表記からは年代を出しません。
② 「NATO SIZE 7583/6979」の4桁の組 — 股下と胴回りのcmの幅
①の2枚には、どちらも「NATO SIZE」として4桁と4桁の組が刷られていました。①の BDU の規格では、この4桁も1サイズずつ決まっています。前の4桁が股下、後ろの4桁が胴回りで、どちらもcmの幅を2桁ずつ並べたものです。たとえば SMALL-REGULAR の「7583/6979」は、股下75〜83cm・胴回り69〜79cmで、インチの幅(股下29-1/2〜32-1/2・胴回り27〜31)とほぼ重なります。REGULAR の品は、前の4桁がどれも「7583」になります。
ただし、①の M-65 の MEDIUM-REGULAR は、後ろの4桁が「7989」なのに胴回りは34〜37インチと刷ってあり、cmに直すと少し大きい側にずれます。4桁の組も、規格ごとに確かめるのが安全です。また、この形は米軍のラベルにも規格で決められているので、4桁の組がある=ヨーロッパの軍もの、とは言えません。当店の在庫では、フランス軍の「92 XC」の下に「7075/8590」、英軍のラベルに「NATO SIZE 8590/9095」がありました。この2枚の4桁の意味は、それぞれの国の資料では確かめていません。年代も出しません。
③ フランス軍の2桁「33」 — 読めれば1950年以降のしるし

フランス軍 M47 のパンツのウエストの内側。ステンシルで「33」とだけある。
フランス軍のパンツには、数字が2つだけ押されたものがあります。インチでもcmでもありません。十の位が身長の区分、一の位が胴回りの区分です。
十の位 … 1=XC、2=C、3=M、4=L
一の位 … 1=76cm、3=84cm、5=92cm、7=100cm、9=108cm
この読み方に当てはめると、上の「33」は身長がMの区分で、胴回りは84cmです。
この2桁の決まりは、1950年の軍の改革で入ったとされます。だから2桁が読めれば、その1本は1950年以降のものと言えます。逆に、2桁が無いことからは何も言えません。タグは切られ、スタンプは洗うと薄れるからです。
気をつけたいのは、上着(ヴェスト)では一の位の意味が変わることです。上着では 2=96cm、6=104〜112cm、9=120cm で、同じ数字でもパンツと上着で別の寸法になります。そしてこの数字は、着る人の体の目安であって、服を測った寸法ではありません。当店では、同じ「17」の2本で、実測が3インチ違ったことがあります。2桁の数字を1本ずつ読んだ記録はフランス軍M47の記事にあります。
④ フランス軍の「92 XC」 — 胴回りのcmと身長の区分、年代は決まらない

M-64 フィールドパンツ 92 XCのタグ。「92 XC」の下に「7075/8590」。
もう1つのフランス軍の書き方が、数字と英字の組です。数字が寸法のcmで、パンツなら胴回り、上着なら胸囲を指します。英字は身長の区分で、1971年の基準では次のとおりです。
XC … 1.58〜1.64m
C … 1.64〜1.70m
M … 1.70〜1.76m
L … 1.76〜1.82m
上の1本は「92 XC」なので、胴回り92cm・身長がいちばん低い区分の人に向けた表記と読めます。この1本を平置きで測ると、ウエストは44cmで、周りにすると約88cm、股下は67cmでした。表記の92cmとは4cmほど違います。
③の2桁と違い、この形だけでは年代は決まりません。M47 も1955年以降のラベルでこの書き方を使っているからです。当店の在庫では、ほかに「76 M」「92M」「80 L」「77/84 L」のような表記が商品名に入っています。どれも数字と英字の組ですが、区切りや並びは個体ごとにばらばらです。
⑤ 英軍の「85/92/108」 — 脚・胴・尻の順で、ウエストは真ん中

デザートDPM フィールドパンツ 85/92/108のラベル。「Size: Leg/Waist/Seat」の下に「85/92/108」。
英軍のパンツには、3つの数字が「/」で並ぶものがあります。NATO式の3つの数字は「脚/胴/尻」の順で、ウエストは真ん中の数字です。上のラベルにも「Leg/Waist/Seat」と刷ってあり、いちばん大きい108はウエストではありません。
この1本を平置きで測ると、ウエストは43cmで周りは約86cm、股下は82cmでした。真ん中の92とも、最初の85とも、数cmずつずれています。
英軍でも、古い世代は別の決まりです。「Size 8」のような番号は、一つの決まりではありません。第二次大戦期の服は身長の帯と胸囲の組に番号を振っていて、番号が大きいほど大きいとは限りません。どの番号にも共通するのは、番号がウエストのインチではない、という一点だけです。番号を品目や時代をまたいで比べないでください。実物のラベルはヨーロッパ各国軍の記事に並べています。
⑥ スウェーデン軍の「C48」「D96」 — C は標準の丈、D は短い丈の可能性が高い

M-59 フィールドパンツ C48のウエストの裏。白い布に赤で「C48」。

M-59 フィールドパンツ C54のタグ。赤で「C54」。

M-59 フィールドパンツ D96のタグ。緑で「D96」。
スウェーデン軍の M-59 には、英字1つと数字の組が、ウエストの裏の小さな布に刷られています。「C48」「C50」「C54」のほか、「C150」「D96」のような表記もありました。
この形は、北欧の紳士服のサイズ表記と同じです。スウェーデンの量販店の紳士パンツの表では、C46〜C60 が標準の丈、D96〜D104 が短い丈、C146〜C160 のように C の後ろが3桁のものが長い丈の列に分かれています。軍の M-59 についても、C が標準、D が丈が短く胴の太い型、C の後ろが3桁なら丈の長い型、と説明する業者があります。ただ、スウェーデン軍の規格そのものには、当店はたどり着けていません。だから軍のパンツについては「その可能性が高い」までにとどめます。
数字のほうは、資料によって説明が割れています。民間の表は着る人の胴囲で、軍の M-59 では胸囲をもとにしているとする業者もあります。はっきり言えるのは、数字がパンツのウエストのcmではないことです。C48 の1本は、平置きのウエストが37cmで、周りは約74cmでした。そこで当店の在庫を表記ごとに並べて、平置きの実寸を見ます。
2026年10月28日時点の、M-59 のパンツで表記が商品名に入ったものです。w は平置きのウエストから換算した目安です。
C46 … 1本・w26
C48 … 5本・w28〜w30
C50 … 4本・w28〜w33
C52 … 2本・w34〜w35
C54 … 2本・w34〜w35
C150・C152 … 各1本・どちらも w32
D96 … 1本・w31
C46 から C54 までを並べると、C の後の数字が大きい組ほど、実寸も大きい側に寄っています。けれども同じ C50 の中で、w28 から w33 まで5インチの幅がありました。股下は、C48 の1本が76.5cm、C54 の1本が80cm、D96 の1本が73cmで、D96 がいちばん短く、D が短い丈という読み方と合います。表記から寸法を当てるより、1本ずつの実寸を見るほうが外れません。
⑦ スウェーデン軍 M90 の「190/85」 — 身長と体重の帯

M90 フィールドパンツ 190/85のラベル。「ATT PASSA LÄNGDGRUPP 190」「185-195」、「VIKT 85」「80-90」。
迷彩の M90 になると、書き方ががらりと変わります。スウェーデン語版のウィキペディアは、M90 の仕組みが入ってからは、サイズを着る人の身長と体重で表すと書いています(例として 180cm/80kg)。上のラベルもその形で、緑の「190」の横に「LÄNGDGRUPP(身長の組)」と「185-195」、赤の「85」の横に「VIKT(体重)」と「80-90」が刷ってあります。身長185〜195cm・体重80〜90kgの人に向けた服、と読めます。
後ろの数字は体重なので、ウエストと読むと外れます。この1本の平置きは、ウエスト43cmで周りは約86cm、股下は87cmでした。当店の M90 には、ほかに「170/75」「180/75」「180/85」の品があり、商品名に「80 kg」と体重まで入った品もあります。
ラベルには3つの王冠と「19」「91」の数字もありますが、これを製造年と読む決まりは確かめていないので、年としては書きません。なお M90 の柄は1989年に入ったとされ、柄の中に三冠が入るのは2017年からとされます。ラベルの王冠は、柄の中の三冠とは別のものです。柄に三冠が見えないことからも、年代は出しません。M-59 の「176/65」「160/75」のような2つの数字の組は、M90 と同じ読み方でよいかを確かめていません。
⑧ オランダ軍・ドイツ軍ほか — 2つの数字や記号だけの表記

オランダ軍のパンツのラベル。「MAAT 82 x 80 / K.L.」。MAAT はオランダ語でサイズ。
ヨーロッパの軍もののパンツには、「82×80」のようにcmらしい数字が2つ並ぶ表記があります。当店の1本は、ウエスト×股下と読むと実測とほぼ合いました。ただしこれは1本の実測から逆に読んだもので、決まりの裏付けではありません。区切りも「82 x 80」「78×80」「78-80」とばらばらでした。
当店の在庫には、ほかにも「4D」「9D」「6FF」のような数字と英字だけの表記(オランダ軍・ベルギー軍)や、ドイツ軍の「165-175/75/90 (Gr.Nr. 3)」、スイス軍の「56/76」のような表記があります。どれも、当店はまだ読み方を確かめていません。
⑨ 表記の一覧 — 見る場所と言えること
米軍「SMALL-REGULAR」などの2語 … 前の語が胴回り・後ろの語が股下の区分・インチの幅はラベルで読む・年代は出さない
米軍の「NATO SIZE」4桁/4桁 … 股下と胴回りのcmの幅(BDUの規格)・ヨーロッパの軍ものにもある
フランス軍の2桁(17・33など) … 身長の区分と胴回り・1950年以降・上着とパンツで意味が違う
フランス軍の数字と英字(92 XC・84 C) … 胴回りか胸囲のcmと身長の区分・年代は決まらない
英軍の3つの数字(85/92/108) … 脚・胴・尻の順・ウエストは真ん中
英軍の番号(Size 8 など) … ウエストのインチではない・品目をまたいで比べない
スウェーデン軍の C48・D96 … C は標準の丈・D は短い丈の可能性が高い・数字はウエストのcmではない
スウェーデン軍 M90 の「190/85」 … 身長と体重の帯・後ろの数字はウエストではない
ヨーロッパの2つの数字(82×80) … 当店の1本ではウエスト×股下とほぼ合った・決まりではない
どの表記も、無いことからは何も言えません。タグは切られ、スタンプは洗えば薄れます。
⑩ 選び方 — 表記より平置きの実寸で比べる

M-59 フィールドパンツ C48の全体。平置きのウエスト37cm・股下76.5cm。
軍もののサイズ表記は、国も時代も違うものが同じ棚に並び、多くは着る人の体の目安です。洗って縮んだものや、裾を詰めたものもあります。この記事の1本ずつの実寸も、表記と数cmずつずれていました。
当店は商品ページに、平置きのウエスト・股上・股下・わたり幅・裾幅を書いています。お手持ちのよく履くパンツを平らに置いて、同じ場所を測ってみてください。その数字と比べるのが、いちばん外れにくい選び方です。測る場所の詳しい話は実寸で古着を選ぶ記事にあります。
この記事に出てきた1本だけでも、股上は27cmから35cmまで幅がありました。ウエストだけでなく、股上とわたり幅も見てください。フランス軍の作業着のパンツについてはフレンチワークパンツの記事、米軍のベイカーパンツは米軍パンツの記事に、選び方を書いています。
いま買える品は、この記事のいちばん下に並べています。ほかの在庫はMilitary カテゴリにあります。
よくある質問
Q. 米軍の S/R(SMALL-REGULAR)は何を表しますか?
A. 前の語が胴回り、後ろの語が股下の区分です。BDU の規格では SMALL が胴回り27〜31インチ、REGULAR が股下29-1/2〜32-1/2インチです。ただしインチの幅はパンツの種類で違うので、ラベルの数字と平置きの実寸で確かめてください。
Q. フランス軍の「33」はウエスト33インチですか?
A. いいえ。インチでもcmでもなく、十の位が身長の区分、一の位が胴回りの区分です。「33」は身長がMの区分で、胴回りは84cmと読めます。上着では一の位の意味が変わります。
Q. スウェーデン軍の C48 はウエスト48cmですか?
A. いいえ。数字はパンツのウエストのcmではありません。C は標準の丈を指す可能性が高く、当店の C48 は5本で、平置きから換算したウエストは w28〜w30 でした。1本ずつの実寸で選んでください。
Q. スウェーデン軍 M90 の「190/85」の85はウエストですか?
A. いいえ。M90 のラベルは身長と体重の帯で、85は体重80〜90kgの帯です。190は身長185〜195cmの帯です。
Q. サイズ表記で年代は分かりますか?
A. フランス軍の2桁が読めれば1950年以降と言えますが、ほかの表記からは年代を出していません。「92 XC」のような数字と英字の組も、それだけでは年代は決まりません。
あわせて読む
・フランス軍M47の年代判別【2桁サイズの読み方】
・ヨーロッパ各国軍の実物を、タグで読む
・OG-107 ベイカーパンツの年代判別
・フレンチワークパンツの選び方
・実寸で古着を選ぶ
写真はすべて当店の撮影です。サイズの読み方は、当店が資料で確かめたものだけを書き、確かめられていないものは「確かめていない」と書いています。実寸は2026年10月28日時点の商品ページの数字です。
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・50-60s チェコスロバキア軍 実物 フィールドパンツ C-3 w39
ほかの在庫はMilitary カテゴリ、Bottoms カテゴリに並んでいます。
